代表メッセージ|横浜こどもホスピスプロジェクト

代表メッセージ

こどもホスピスを設立するきっかけ
~娘のはるかとの物語~

はるかの生まれてきた意味

1997年に遡ります。
元気に幼稚園に通っていた二女はるかが6歳になったばかりの初夏の頃、朝「頭が痛い」と訴えました。小児科を受診し風邪薬を処方されましたが、症状は落ち着きません。他の小児科でも同じことを言われ、原因がわからずの日々が続きました。夏も終わろうとしていた頃、ふと右足を引きずっていることに気付きました。すぐに総合病院で受診すると、担当医から画像診断の指示。
「脳幹に腫瘍があり、治療方法がなくあと半年くらいしか生きることができない」と告げられた時のことは忘れられません。
「これからは家族で楽しい時間を過ごすことです」
主治医の言葉は、あきらめるしかないと言わんばかりに聞こえました。

5か月後、娘は私たちの元から旅立ちました。
おしゃまさんで、お出かけが好きで、難しいことにもどんどん挑戦する頑張り屋さんのはるか。なぜ、はるかは病気になったのだろう。病院と家と行ったり来たりの生活の中で、はたして娘の希望するような「家族の楽しい時間」を与えることができたのだろうか。

娘と過ごした時間から娘の生きた意味を考え始め、見えてきたものは当時の医療が子どもの気持ち(立場)に立っていないということでした。課題はいくつもあり、友人とNPO法人を設立して入院している子どもに付き添う家族の宿泊滞在施設を開設したり、取り残されがちなきょうだい児のための預かり保育をしたり、NPOとして病院機能の不足部分の支援をしてきました。しかし、娘が教えてくれた余命の時間の大切さ、家族みんなの豊かな時間、限りある時間でも成長する子どもの可能性、旅立ちの後も家族を継続的に支えることなどは、病院や医療のサポートだけでは解決できないようにも思えました。

そんな時に知ったのが、英国から世界に広がった「こどもホスピス」でした。日本にも「こどもホスピス」を作りたい。私の中でその想いが強くなっていく中、何かの力によって引き合わされたかのように、同じ夢を持ちながら亡くなられた元看護師の石川好枝様から遺贈を受けたのです。
そこからは幾重にもご縁が重なり、活動に賛同する多くの方々に支えられながら、独立した組織として新たにNPO法人横浜こどもホスピスプロジェクトが始動しました。

子どもたちは「今」を生きている。
病気にとらわれずに、ひとりひとりの命の可能性を大切にしてほしい。
子どもとご家族を孤立させず、みんなで優しく支える社会になってほしい。
それが、娘・はるかが気づかせてくれた私たちの宿題だと思っています。

「この瞬間を笑顔に!みんなで支えて叶えたい。」
皆さんも、是非、一緒にこどもホスピスを作り育てる仲間になってください。

認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト
代表理事 田川 尚登

田川 尚登

代表理事田川 尚登

横浜こどもホスピスプロジェクト
をもっと知る

LTCの子どもたちの現状や私たちが目指すこと、設立の歩みを詳しく紹介しています!

私たちについて

私たちの活動は
皆様からのご支援によって
叶えられることがあります。

寄付して支えたい

Copyright© 横浜こどもホスピスプロジェクト, 2021 All Rights Reserved.