ご挨拶

生命を脅かされている子どもと家族がおかれている社会的課題を解決していくために

2014年8月より横浜小児ホスピス設立準備委員会とともに横浜に小児ホスピスの設立に向けた準備活動を進めてきました。現在は、土地取得に関する協力を横浜市に要請する一方で小児ホスピスの理解促進に向けた広報活動を続けておりますが、更なる進展に向けた活動を本格化させるために新法人、NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクトを横浜市へ設立申請、8月16日に登記が完了しました。

現在わが国には小児がんなど生命が脅かされた子ども達が約2万人いますが、そのような子どもや家族を支援している在宅支援施設がほとんどありません。英国で1982年に始まった最初のこどもホスピス設立から英国に40数か所、ドイツ、カナダ、アメリカ、オーストラリアに広がっていますが、わが国には民間では大阪のTSURUMIこどもホスピスが存在しているだけです。

こどもホスピスは病院ではなく、家(おうち)です。治療をあきらめるのではなく、楽しい時間を子どもと家族と寄り添いながら創り出していく場所です。どんなに辛くても子どもは成長と発達を続けています。その子どもの状況に応じた遊びや学びの支援をしていくことによって免疫力が上がり、良い治療効果が生まれ回復していく場所でもあります。

施設は日中の遊びや学び支援、宿泊サービスなど子どもと家族や子どもの友人も一緒に利用できます。また地域に開かれた施設として地域の交流の場でもあります。私たちは、生命を脅かす病気と共に暮らす子どもとその家族に、友人のようにそばに寄り添いながらサポートを行う世界水準のこどもホスピスの実践を、地域に根差した活動として取り組みます。こどものホスピスとは、こうした生命を脅かされている子どもたちに対して、痛みを和らげ、安らぎを与え、たとえ残された日々がわずかであったとしても、命が尽きる瞬間まで成長を促し続けることがその本質といえます。医療と福祉の間で大変な毎日を過ごしている子どもと家族が回復していく場として、こどもホスピスを全国に広げていきたいと思います。

2017年9月吉日

NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト 代表理事 田川 尚登